ストーカ式焼却炉はゴミ焼却炉の燃焼装置のひとつです。
乾燥・燃焼・後燃焼とそれぞれ作用をもった階段状に配置されたストーカで
ごみを攪拌しながら燃焼させます。
ストーカのしくみ
固定火格子と可動火格子が有ります。
可動火格子は油圧シリンダによって前後に往復運動を繰り返します。
ごみを攪拌させながら先へと送り出していきます。
このスピードによってごみの送り出しのスピードを調整します。
階段状になっているので下段に落としながら大きなかたまりになったごみを
ほぐして崩していくこともあります。
攪拌してほぐされたごみを乾燥させたり燃焼の助けになるように
下から空気を吹き込みます。
ごみ焼却炉
焼却炉の構造です。
左上のゴミホッパーにごみクレーンによってごみが投入されます。
その下にある給じん装置(プッシャー)によって炉内にごみが押し出されます。
乾燥ストーカ
まず乾燥ストーカにごみがのっかります。
ここではごみの乾燥が行われます。ごみは水分を多く含み燃焼しにくいので、
ストーカの下から吹き込まれる一次燃焼空気と攪拌および炉内の温度によって
ごみの乾燥をおこないます。
燃焼ストーカ
ごみの燃焼はおもにここで行われます。
乾燥ストーカによって乾燥したごみは炉内の温度(800℃~1000℃)によって発火します。
ごみは紙やプラスチックなどの燃えやすいものから燃え始めてや生ごみ等水分が多く燃えにくいものは徐々に燃え始めることになります。ストーカの動作スピードと一次燃焼空気の
吹き込み量によって燃焼を管理します。
ストーカのスピードを速くすると攪拌しやすくなり燃えにくいごみの燃焼が
促進することができますが燃焼が完了しないまま後燃焼ストーカーにごみが
おくられてしまう可能性があります。
ストーカーのスピードを遅くすると燃焼ストーカにごみが残りすぎ、
乾燥ストーカからのごみが渋滞して燃焼反応が低下するおそれがあります。
後燃焼ストーカー
燃焼ストーカーから一段下がった部分が後燃焼ストーカーです。
燃焼ストーカーで燃え尽きた灰がここで冷まされながら灰ホッパへ送られます。
高温の灰がそのまま灰ホッパに落ちると固まって詰まってしまう可能性があります。
また燃焼ストーカで燃え切らなかった未燃分をここで燃焼させるはたらきもあります。
燃焼用空気
燃焼用空気にはストーカ下部から吹き込まれる一次燃焼空気と、炉内上部に吹き込まれる
二次燃焼空気があります。ごみピットの臭気を持った空気を利用することが多く
臭気も一緒に燃やすことができます。
一次燃焼空気
ゴミの乾燥と燃焼に使用される空気です。
吹き込まれる前にボイラー等を利用して温度を上げて乾燥させやすくて炉内の温度を
下げないようにしてあります。
二次燃焼
焼却炉の上部から吹き込まれる空気です。
一次燃焼によって発生した可燃ガスや粒子状カーボンの燃焼に利用される空気です。
NOx低減の目的から後燃焼上ストーカー上のガスを還流して使用することもあります。
可燃ガスまで燃やしきる為、ここで燃焼が完結することになります。
主灰(ボトムアッシュ)と飛灰(フライアッシュ)
後燃焼ストーカで燃焼しきって下に落とされる灰を主灰(ボトムアッシュ)といいます。
排ガスに含まれて上部に舞い上がっていく灰を飛灰(フライアッシュ)といいます。
焼却によって発生する灰は97%が主灰で3%が飛灰ですが飛灰の処理にも注意が必要です。
ダイオキシン類は飛灰に多く含まれています。健康を害する鉛、亜鉛、カドミウムなどの
重金属類も含みます。
排ガスをろ過するバグフィルターで飛灰を捕まえます。
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