油圧回路に使用される作動油にはさまざまな種類があります。
一般的に鉱油系作動油が使用されますが屋外・屋内あるいは周辺温度など
使用環境に応じて適切なものを選択します。
作動油に求められるもの
油圧回路にとって作動油はなくてはならないものです。
しかし使用環境、目的などによって求められる性能は異なってきます。
環境が安定している場所ではあまり気になりませんが、
屋外では夏季、冬季によって大きく気温が変わり、この変化によって粘度が
変化します。
低温下では油が固まる可能性があるので、
流動点の確認が必要になります。
また使用中は油温度が上昇していくので温度変化に伴う粘度の変化が少ないほうが
いいので粘度変化の度合いを示す粘度指数も必要になります
作動油は圧力の伝達と同時に油圧機器の潤滑も行っています。
粘度が高いほうが潤滑性は維持できますが、流れにくさが高くなるので
両面から考えないといけません。
作動油の添加剤
油圧回路内の金属がさびないようにする防錆剤
空気中の酸素と触れて酸化しないようにする酸化防止剤
作動油に泡が立たないようにする消泡剤
油の乳化を防ぐ抗乳化剤などがあります。
温度で変化する粘度
油の硬さを表すものが粘度であり、はちみつのように粘っこい状態や水のようにさらさらした
状態を表すのが粘性であり数値で表したものが粘度(Viscosity/ビスコシティ)です。
粘度が低いとさらさら性状、高いと粘っこい性状になります。
粘度が低ければ流れやすさと同時に小さい隙間からの漏れが発生する可能性があります。
油圧ポンプ内で内部漏れが起きると吐出量が低下することがあります。
粘度が高いと流れにくいことになり油圧ポンプが作動油を吸い込みにくくなったり、油圧機器の
動作性能が低下すなどの影響がおきます。
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