自動制御は目標値に測定値を一致させることが目的になります。
そのために制御量をコントロールする必要があります。
PID制御(Proportional Integral Derivative Control )は代表的な方法です。
オンオフ動作
もっとも単純な制御方法がオンオフ動作です。
水にヒーターを沈めて温めます。
お湯40度が目標値だとすると40度まではヒーターがオンしています。
40度を超えた時点でヒーターはオフになります。
そして40度を下回るとヒーターはオンします。
実際には水の温度とヒーター動作の切り替わりに時間差があるために
オーバーシュート(目標より高くなる)やアンダーシュート(目標より低くなる)が起きるので
波のような温度変化になります。
このような現象をハンチングといいます。
ハンチングを抑えながら目標値に安定して近づけるためにPID制御が用いられます。
比例動作【P動作】
オンオフ動作では出力の調整がありません。
目標値と現在地の偏差で出力値を比例させて制御します。
差が大きいほど出力値を大きくとって目標値に早く近づけようとします。
目標に対して比例帯が設定されています。
一例として目標値が40度であれば30度から50度が比例帯として考えられます。
比例帯に入るまでは100%の出力で動作します。比例帯に入ると偏差の大きさで制御量を
調整します。目標値に達すると制御量をしぼり、比例帯を越えると制御量は0%になります。
比例帯の広さによって制御の特性が変化します。
目標値には最終的に一致させることはできません。
目標値と現在地には偏差が残ってしまいます。これをオフセットあるいは定常偏差といいます。
積分動作【I動作】
偏差がある限り出力を時間の経過とともに増加・減少させる動作です
比例動作で発生するオフセットを自動的にゼロになるように変化をさせます。
偏差の量をみて出力の変化率を決める値を積分時間といいます。
通常はP動作と組み合わせて使用されます。
積分時間が長いと積分動作の出力がゆるやかになります。
これがゼロだとオンオフ動作になります。
微分動作【D動作】
偏差の生じる傾斜(微分係数)に比例した操作量を修正します。
これまでの制御にあった応答が遅い、オーバーシュートなどの不安定さ等の欠点を
補うことができます。
急な外部要因の変化などの変動を抑えるために用いられます。
PD動作またはPID動作として使用されます。
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