燃焼反応は空気中の酸素を使って行われます。
高い燃焼温度では酸素と窒素が結びついて窒素酸化物が生成されます。
環境問題などで注目されるNOxについて説明していきたいと思います。
一酸化窒素や二酸化窒素の総称がNOxで最後のXには数字が入ります。
空気の成分
生物は呼吸をしています。大気から酸素を取り込んで生命を維持しています。
地球の大気の成分で酸素はおよそ20パーセントで残りの80パーセントは窒素です。
窒素の由来
ドイツ語の「窒息させる」「物質」を訳したものが由来で窒素と訳されました。
サーマルノックスとフェールノックス
窒素の由来がどこかによってサーマルノックスとフェールノックとに分類することができます。
サーマルノックス
通常では反応しにくい酸素と窒素ですが、燃焼温度が高い環境では窒素と酸素が反応してノックスが発生します。
フェールノックス
燃料の中に含まれる窒素が由来で酸素と反応して発生したノックスがフェールノックスです。
EGR(排気再循環)
ディーゼルエンジン(ガソリンエンジンも取り入れられはじめた)には
排ガスを燃焼用空気として利用するEGR(Exhaust Gas Recirculation)が
取り入れられています。
シリンダー内を空気の断熱圧縮による高温になったところへ燃料(軽油)吹き出して
粒子化させて着火させるディーゼルエンジンでは空気中の酸素が燃焼に使いきれない部分がどうしても発生してしまします。シリンダー内は高圧の状態なので燃料を吹き出す力も必要になります。
より多くの燃料を燃やそうとすると多くの空気が必要になります。それを可能にするのが
過給システムです。
出力を上げようとすると少し問題が発生します。
燃料を増やすと燃焼温度が上昇します。さらに燃焼に使いきれない酸素が余ります。
このように高温高圧状態では酸素と窒素が反応してNOxが精製されてしまいます。
NOxの生成をさけようとして空気量を減らそうとすると(リッチバーン)燃え切らなかった
燃料が黒煙として排気されます。
NOxと黒煙の発生はトレードオフの関係になっており両方を同時に減らすことは難しいです。
シリンダーに送り込む空気の一部に排気ガスを利用します。
排ガスは酸素量が少なく窒素と酸化反応をしにくくなっています。
このためNoxの生成を抑えることができます。
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